2016年03月09日

これからのフラッシュメモリ(SSDやUSBメモリ)は壊れやすくなるかも

いきなりですが、すでに販売されている一部のSSD、USBメモリを含め、これから販売されるフラッシュメモリ(SSDやUSBメモリ、タブレット内蔵メモリやSDカードなど)は寿命が短くなっています。
いままでSSDやフラッシュメモリなどはハードディスクに比べ耐衝撃や寿命が長いことで選択されることが多かったですね。
SSDの弱点といえば価格にあったと思います。
しかし、最近SSDの価格が安くなってきています。弊社でもSSDの取り扱い始めてから半額近くまで価格が下がってきています。

mm120626_ssd_fig05.jpg

「SSDが安くなってきたので、これからはSSDの時代だ。ハードディスクを買うやつは情弱!」という勢いです。

しかし、安くなったのは裏があるんです。新品パソコンが安くなったのは基盤構造の簡素化やアウトソーシングなどによって安かろう悪かろうの品質になったのと同じく、SSDやUSBメモリ、SDカードでも安かろう悪かろうの時代になってしまったのです。
その理由を説明します。

まず、最近発表となりましたが、512GBのデータが保管できるmicroSDが登場しました。
Microdia-512GB.jpg
あの小さいmicroSDに512GBのデータが入るのです。どうやってデータを入れているんだろうと思いますよね。

実はある仕組みにより小さいチップに大量のデータを保管できるようになりました。これがフラッシュメモリが粗悪になった原因でもあります。

フラッシュメモリの中はメモリセル(記憶素子)と呼ばれる電気を貯める器が大量に並んでいます。
このメモリセルにどのくらい電気(電子)が溜まっているかでデータを保管しているのがフラッシュメモリです。

フラッシュメモリはメモリセルの構造によりSLC、MLC、TLCと呼ばれる種類があります。
TLCは2015年に登場したばかりの新しい種類のフラッシュメモリです。これが厄介なのです。

このうち一つのメモリセルをビーカーに例えてみましょう。
673-002-00.jpg
そして、電気を水に例えてみます。

図で表してみます。
SLCのビーカーには目盛がありません。MLCのビーカーには目盛が2つ、TLCのビーカーには目盛が6つあります。
SLCMLCTLCsyoki.jpg

なお、コンピュータではデータは全てスイッチの組み合わせで保管されており、スイッチのON、OFFでデータを保管しています。
表現上スイッチのOFFは0、ONは1で表現します。

これを先ほどのビーカーに当てはめてみましょう。下図のようになります。
SLCMLCTLCmemory0.jpg

SLCはスイッチ1つぶん、MLCはスイッチ2つぶん、TLCはスイッチ3つぶんの状態を保管できるようになっているのです。
今、メモリセルがスイッチに例えてどの状態になっているかは、ビーカーに保管されている水(実際は電気)の量で決まります。

ビーカーに水が満杯になっているとします。
SLCMLCTLCmansui.jpg
水(電気)が満杯だと全てのスイッチがONになっていると考え、SLCだとスイッチ1個なので1、MLCだとスイッチ2個分なので11、TLCだとスイッチ3個分なので111となります。

さて、水が半分ではどうでしょうか。
SLCMLCTLChanbun.jpg
ここで注目はSLCやMLCです。メモリとメモリの途中になってしまいます。
この場合、水位の上にある目盛に書かれている状態が現在の状態となります。

なぜでしょう。
それは、どうしてもメモリセルの電気は少しずつ漏れているので、時間が立つごとにメモリセルの電気が少なくなっていきます。水で例えると自然蒸発すると考えてみてください。MLCで"10"の目盛に水を入れたとしても時間が経てば自然に蒸発してどうしても目盛の下に水位が下がってしまいます。自然減に対応するため現在の水位の上の目盛を実際の値としているわけです。

ただスイッチの値が変化するほど電気が逃げる(水が蒸発する)にはかなりの時間がかかります。(1ヶ月ぐらいで変わるようでしたらフラッシュメモリとしては失格です)

ここで、なぜ最近のフラッシュメモリ(SSDやUSBメモリやSDカード)の寿命が短くなってしまったか。
これは最近のフラッシュメモリはこぞってTLCを採用するようになったためであり、また、512GBのmicroSDを実現できるようにメモリセル(上の図ではビーカー)の大きさが小さくなってきています。

今回の例えで言う「目盛が増えているのに容器の大きさは小さくなっている」これが寿命が短くなっている原因です。

容器の大きさは小さいということは、1つのメモリセルに入れることができる最大の電気が少なくなっているということです。
ただでさえ少ない電気容量にさらに目盛が増えてちょっとの電気量の変化で値が変わってしまうという危険がはらんでいます。

フラッシュメモリは寿命があります。故障原因にフラッシュメモリを制御するIC(コントローラチップ)の故障というのもありますが、フラッシュメモリそのものに起因する故障原因としては、同じメモリセルの読み書きを繰り返す(上の図で言う水の入れ替え)を繰り返していくと、だんだんと劣化して底に穴が空いてきます。
SLCMLCTLCtareteru.jpg
時間毎に漏れる電流が多くなっていき、スイッチの値が変化するほどになればデータが変わってしまいますので、故障となります。
穴の大きさが同じだったらメモリセルの大きさが大きければ大きいほど、目盛が少ないほどスイッチの値の変化が起きる可能性は少なくなります。

また、あくまで例えですが、器の壁が薄くなっているとも思われます。つまり小さい器は穴が開きやすくなっているというわけです。

1つのメモリセルにたくさんのデータを入れることができれば、1GBのデータを保存するメモリセルの集まりの大きさを小さくできます。
また、メモリセル自体も小さくなっていますので、同じ大きさのフラッシュメモリにより多くのメモリセルがのせることができます。
フラッシュメモリの価格は基本的にフラッシュメモリチップの大きさに比例する部分もありますので、結果値段が安くなります。その代わり、壊れやすくなっているわけです。

一説にはTLC採用フラッシュメモリはMLCの10分の1の寿命といわれています。

以上の観点から弊社ではTLC採用のSSDはおすすめしていません。MLCで対応できる場合はMLCで交換します。
将来的にTLCしか選択肢がなくなってしまうかもしれません。このために日頃のバックアップをお願いしております。

posted by ピーシーアシストAIZU at 14:28| Comment(0) | TrackBack(0) | パソコンについてのアドバイス
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